好きなことで生きていくってさ

感想とか、いろいろ。

【映画】トイレのピエタ

あらすじ

画家を目指すも挫折した28歳フリーター園田宏は、窓ふきのバイト中突然倒れ病院へ搬送される。医師に検査結果を伝えるため家族を連れて、来て欲しいと言われるが、それが嫌だった園田は病院内で偶然出会った女子高生の宮田真衣を、妹代わりに連れて行く。

そこで園田は自分が余命3ヶ月であることを告げられる。

夫に逃げられ仕事もしないどうしようもない母と、ボケたばあちゃんを抱えた真衣は園田に一緒に死のうと提案するが、彼は決心がつかず死ぬことをあきらめる。

死にたくても死ねない真衣と、突然自分の命の期限を宣告される園田。2人の駆け引きにより、生きるとはなんなのか、自分で死ぬことがどれほど難しいことなのかということを考えさせられる作品である。

 

感想

好きな作品だった。無駄にギャグ要素を付け足したり、裏の描写が多かったり、そういうことは一切せず、セリフが少なく表情や風景で訴えてくる場面が多かったように思える。

全体を見ると落ち着いた作品のようであるが、生きるか死ぬかの瀬戸際にいる人物を追っているので、見ている人は心は落ち着いてはいられない。

余命宣告されてから少しずつ狂っていく園田の、洋次郎の演技がよかった。独特な優しい声がその場面をよりいっそう切なくさせた。

真衣役の杉咲花ちゃんも、細かい表情や家庭の複雑な事情を抱えた女の子の雰囲気を出すのが上手で、見入ってしまった。

 

生きることの大切さを考えさせられる作品であったと思う。